オレ節生活

気の向くまま、思いつくまま

『六月大歌舞伎』昼の部・初見 (2007.6.3)

私はやっと気付きました。いつも初見観劇でいっぱい書こうとするから無理が出てくるんだと。ので、今日はあっさりと印象レポでいきたいと思います。(ホントかよぅ?)

『妹背山婦女庭訓・小松原/花渡し/吉野川
演目について調べると、歌舞伎版「ロミオとジュリエット」だと書かれてますが、そんな感じはしなかったなぁ。「小松原」と「花渡し」の場は滅多に上演されないらしいですが、あった方がぐんと面白いと思うな〜。でも、長くなるけどね。
初っぱな「小松原」、花道から登場の雛鳥@魁春さんご一行、お供の一人がどーも幸太郎さんの声っぽいな〜と思ったんだけど、まだ姿は見えず(3階席だったから)。本舞台に出たら腰元だったのでビックリ!!ブサイクな道化っぽい役回りね。足捌きや所作がどーしても立役っぽいのは隠せない(笑)。雛鳥と恋に落ちる久我之助@梅玉さん、爽やか〜。少年さがそこはかとなく漂ってるのは何故?!「敵同士の若者が恋仲になるのを美しく綴った場面」と歌舞伎座掌本にあったけど、コミカルにあっという間にくっつちゃった感じよ(笑)?赤っ面の松江さんが威勢よく。一瞬、誰?と思ったわ。この方が先月はうさ忠だったなんて〜(『鬼平犯科帳』at新橋演舞場)。化けるよなぁ。
「花渡し」「吉野川」の大判事清澄@幸四郎パパVS太宰後室定高@籐十郎さん、がっぷり四つに組んだ真っ向勝負!って感じが素敵。いいぞ〜いいぞ〜どっちも負けるな〜〜!(そーゆー話じゃないから!)じっくり腹を割って話せば目指すところは同じなのに、お互い頑な部分があって相容れない、そんな雰囲気がまさに適役。籐十郎さんの気丈な後室、という造形が無性に好きだ。「先代萩」の政岡も同じ系統でしょうかね(籐十郎さんの政岡も好きなのだ)。「吉野川」は舞台装置からしてドラマチックだね。1階のとちり列センター席で観たいね。上手が男所帯の幸四郎さん家で、下手が女ばかりの籐十郎さん家(そーじゃないから!)。義太夫さんも上手下手にそれぞれ居られ、掛け合いも迫力。でも内容端折り。切腹途中で止められて、ずーーっと腹に刀を立てたままの久我之助@梅玉さんが不憫で....。早ぅうち解けて、首をこっちによこせ!とちょっとハラハラしてしまいました。ごめんなさい。

『閻魔と政頼』
狂言が元ですから。楽しいですよ。通常、主人公が登場すると「これはこの辺りに住まいいたす者でござる」とか何とか始まるが、閻魔大王富十郎さんが登場すると「これは地獄の一丁目に住まいいたす閻魔大王でござる」(笑)と名乗りを。呼ぶのは太郎冠者・次郎冠者ではなく、赤鬼・青鬼。パロってますね〜。赤鬼@歌六さん、青鬼@歌昇さん。でも鬼拵えが強烈で誰だか分かりません(笑)。六道の辻へ向かう鬼兄弟(笑)、提灯ならぬ火の玉型の炎を下げています。細かい!最近の人間は嘘が巧妙で困る、言葉遣いも変わっている、「先日も若い亡者にそれは嘘か、誠か?と問えば"微妙〜"と答えた」(笑)と嘆きつつ道を急ぐ鬼兄弟。なかなか笑わせてくれるでないかい。そこへ殿のご機嫌を損ねて首をはねられた鷹匠・政頼@吉右衛門さんが登場。閻魔大王@富さん、お付きの鷹之資くんと顔を見合わせ「なに鷹?ワシは鷹には弱い…」と本音(?)ポロリ(笑)。吉右衛門さんの口車に乗って(そーじゃないから!)、地獄で鷹狩りをする皆。手下の鬼どもがぞろぞろ出てくるけど、まだなんとなーく揃わずに収まりが悪いっすよ。精進、精進。日を重ねるごとに良くなっていくのでしょう。あと、鷹は差し金に付けて欲しいな〜。最後だけでしたね、差し金仕様は。富十郎さん、まだセリフが確実じゃないのでしょう。ゆっくり確かめるように喋ってましたが、閻魔大王にはピッタリでしょう♪再見楽しみ。

『侠客春雨傘』
待ってました!齋くん!今までまったり見物してたのが、急にドキドキそわそわ気分。何だか甥っ子の晴れ舞台を待ってる親戚のオバチャンみたいだな〜(笑)。恐らく、高麗屋贔屓の皆様同様だと思いますが。
演目はお披露目?用なのでしょう、内容あるようなないような。「実録の助六」といわれてるそうですが、確かに花道の"出"がカッチョ良かった♪(と思う。途中からしか見えなかった(涙)からね)啖呵切る調子もこそばゆくもあり、うはーカッチョえぇなぁとも思い。齋吉くんは本日も大人しく(もぞもぞしていたけど)、泣きも騒ぎもせず、「頑張るぞ!」と言って礼をして、「お手を拝借」ではちゃんと手も叩き、満面の笑みのお祖父ちゃん達に連れられて行きました。仁左様、昼はこの場面だけなのね。贅沢だわ〜。実際に拝見するまでは不安でしたが、いや、マジ、齋くん、大物かもしれない???!!立派なもんです!紋付き袴の二歳児は人形のようで可愛くもありました。上手にはける時、近くの方に手を振っていたね。お決まりコースになりつつあるか?
そんな我が子を見つめる染パパ。昨日の初日が上手くいったせいかどうかは分かりませんが、不安げな表情もちらりとはあったけど、何だか柔らかーい、優しーーい顔してました!うわ!その拵えでその顔は……卑怯よ(笑)!反則だわん〜〜。演技か?演出か?素か?いや、なんでもよろし。アチキはメロメロだったでありんす〜はふー。
結構長くなりましたかね?次回、再見楽しみ。ひゃー、私、耐えられるかしら?!(何によ(笑)?!)