オレ節生活

気の向くまま、思いつくまま

壽初春大歌舞伎・初日 夜の部(2008.1.2)

行ってきました、本年一発目・初芝居!
昨年は劇団☆新感線『朧の森に棲む鬼』の初日公演に参上しましたが(昼だったし、カウントダウン公演には行けなかったし)、まさか歌舞伎座の初日観劇をする日が来ようとは!おまけに『連獅子』よ?『助六』よ?いやー華やかでございました。着物率・高し!!気張ってワタクシも着物で行ったのですが、友に帯を締め直して貰うという顛末付き。オホホ!(笑って誤魔化すか!)ミョ〜にハイテンションな夜でした(笑)。

『鶴寿千歳』
曲は昭和3年天皇即位大典の奉祝箏曲らしいですが(ほー、2年前の藤十郎さん襲名興行の、梅玉さんと時蔵さんが雄鶴雌鶴で踊ったのと同じ曲?なんですな?!へー気付かなかった…)、新しい振付の舞踊演目なんですな。箏の音色がいかにもお目出度い、初春にピッタリです。
まずは松@歌昇さん、竹@錦之助さん、梅@孝太郎さんが登場して萬歳楽(?だとか)。いやぁ、良いですなぁ。ホクホク。歌昇さんのちょっとポクッとした感じ、錦之助さんの端正なでもやんわりした感じ、孝太郎さんのスッとしたカワユらしい感じ、良いトリオではあーりませんか♪
チョンと析が入って背景が吊り上がると姥(ばぁ様)@芝翫さんと尉(じぃ様)@富十郎さんが仲良さそうに。富十郎さん、足元が覚束なくて少々心配になったけど、それがいかにも爺様!という感じがしてこれはこれでいいのかなー。風情はたっぷりだし。それにきっと初っぱなだから身体が温まってなかったのだろう。(の、予想通り翌日観劇した友によると動きがスムーズになってたそうだ。)芝翫さん、コロコロと楽しげな様子とか、まぁ端々の表現が上手いこと。ばぁ様可愛いじゃん(笑)!。さすがな人間国宝ペアでした。
『連獅子』
待ってました!え、ここ、掛けるとこじゃない(笑)?だってー、今日の最大の盛り上がり場(?)ですよ!!前回、高麗屋の連獅子を観たのは2005年11月でしたっけ。あの時の心の震えを思い出すと、(もう観れることはないと思っていたので)なんとまぁ嬉しいではないですか!
前シテの狂言師・左近では染丈、前回、「30歳過ぎて前髪立ちですから」と照れくさそうでしたが、いやいやなんの!!!2年ちょっと経っても違和感なく、美しく、そして若々しく!!もう登場から目が「はぁと♪」です。今回はよほど染丈を凝視していたのか、あんまり幸四郎さんの記憶がないんですが(ご、ごめんなさいっ)、、、仔獅子を谷に落とすくだりでは親の情をピシピシ感じて、よっ、高麗屋!秀逸!と思いました。
狂言・蓮念僧@松江さんと、遍念僧@高麗蔵さん。素顔っぽいおとぼけな松江さんがミョーに好きですなぁ。高麗蔵さんはちょっと融通の利かない可笑しさがあるよなぁ。「南無妙法蓮華経」と「南無阿弥陀仏」を間違えて言っちゃったりしないのかしら?となんて思ったり。や、最後に取り違えるからいいんだけどさー(よくないか(笑)!)。
雲行き(?)が怪しくなって退散する2人の僧の後に、いよいよ獅子登場。静寂の中、鼓の音と共に、鼓を締めている縄(なんていうのだろう?)のキリキリという音がするのもなんとも言えない緊張感。一旦、花道に現れる仔獅子が後ろ向きのまま鳥屋に下がっていくのも圧巻!何しろ今回は2等最前(1階16列目)の席だしーー♪(チケット手配してくれた友、感謝!!!)仔獅子が、じゃれるように頭をクンクン動かすのがなんとまぁカワユらしい!!でも近づいたらガブリ、だわよ(笑)。何しろあんなに豪快に毛振りしてんですから!!スゲー、スゲー、素敵ぃぃぃぃ♪♪(←完全、贔屓目モード(笑)。)花道での毛振りでは周囲のお客さんの驚きと興奮の様子も伝わってきて、それもまた興奮を呼ぶのよねー。この高麗屋の「連獅子」は、中村屋の完全ユニゾンな美・親獅子だって負けてねぇ!と違い、親と子、年寄る者と若き者、我が子の成長を見守る父と雄々しく育っていく息子、そんな物語を語ってくれた前回同様、仔獅子の「もう1回多く回しています」もあるけれど、また少し進化した(深化か?)よう。少し仔獅子@染丈がセーブしているのかしら?と思われたりした箇所もあったのですが、友が指摘していてハッ、と。「連獅子」の意味を考えれば親と子がまったく別であっては「美」が損なわれるでのあろう。また、もしや子から親への想いというのを深読み出来るのかもしれないなぁ、と。ま、勝手な推測なのですけどね。うーむ、それは観終わってから思ったことなので、次回(2回目観劇)の折に何を感じるか、楽しみでもあります。次回はなんと千穐楽!初日と千穐楽の2回ってどうなのよー。究極だなぁ(笑)。
助六由縁江戸桜』
私が成田屋ファンの友に誘われて歌舞伎に通うようになった頃、ちょうど海老蔵襲名興行があり。お陰様?で色々おこぼれに預かって、海老くんの『助六』も拝見いたしました。しかし!なんと言っても当代團十郎さんを観ずに『助六』が語られようか!ということでとても楽しみにしておりました。(ま、前の演目に魂持って行かれた感は否めないんですが(汗)。)し、しかし、、、、所要・2時間はきつかった...。なかなか気の抜く間もないし。2時間、全面の照明が当たってるので段々暑くなるし。皆様、お気をつけ下さい(何を?)。
しかしまぁ助六の出端までこんなにあったんだっけ?と思うほどゆっくりと話が進む。そうだったよな〜、揚巻が髭の意休に悪態つく有名なセリフもあったよな〜、確か『助六』が悪態づくしなのも何か意味があるとかないとか〜(こんな感じ?)。つい、面白かった場面の記憶しかなかったらしく、あんなに期待してたのに少々ダレ気味?いかん、いかん!!揚巻@福助さん、大役で緊張されているだろうが、酔ったあでやかな様子に花道出た瞬間、ドキッとした。何せ近くでしたから!(自慢げ(笑)?)髭の意休@左團次さん、いやぁ安心して観てられますなぁ。手慣れた感じ?ジッとしてると河東節に眠くなるって以前どこかで言ってらしたのでついジッとしてる左團次さんをジッと(笑)。助六團十郎さん、魅せます花道、たっぷりと!あー、いつか染丈で観たい(はぁと♪)と思った染仲間が何人もいるに違いない!ゴメンナサイ、團十郎さん。ファンなんてこんなもんです(笑)。
さて、じきにチャリ場(?とは言わないかー、この場合。)へ突入。意休の子分・くわらんぺら門兵衛@段四郎さんが帯も締めずに浴衣で登場。上手いなぁ。手慣れてるよなぁ。口上での言い間違いもなんのその。福山のかつぎ@錦之助さん、キャッ♪座り込む時、半纏めくって赤ふん姿が見えちった♪♪素敵ぃ♪(オイオイ)。朝顔仙平@歌昇さん、あれ?一幕目よりポチャッとしてませんか(笑)?拵えのせい?あの独特のセリフ(語尾)が可笑しい。けど言うのは大変だろうなぁ。意休一味が去ると、白酒売りの新兵衛@梅玉さん登場。実は助六は曽我五郎で、新兵衛はその兄・十郎。んな馬鹿な!ってことが歌舞伎には往々にしてございますね(笑)。んで宝剣・友切丸を尋ねるために兄弟して通行人に喧嘩をふっかける、と。んな馬鹿な(笑)!梅玉さんの、やんわりとしたトボけた可笑しみの新兵衛がグゥッ!ちょうど通りかかったのは由次郎さん扮する侍。(お供は誰だったんでしょう?)次にやって来たのは吉原をそぞろ歩いていた東蔵さん。もう東蔵さん、サイコー!「うそぉ〜」「どんだけ〜」「そんなの関係ねぇ!」まで、いや、よくおやり下さいました!ありがとうございます!お陰で爆笑です。福が来そうだわ〜〜こんな下世話なネタをやっても品の良さが崩れないのはさすがですねぇ。團十郎さんに向かってはフランス語を発揮し、股をくぐるときは"シャネルの5番"と書かれた容器を取り出し、一吹き。梅玉さんにはマスクを用意。ちゃんと三升と祗園守(っちゅーのかな?梅玉さんの紋は)の紋が表裏になっている小布まで頭に載っけてくぐっておりましたよ!行き届いてます(笑)!
そうこうしてるうちにクライマックス(?)へ。母・満江@芝翫さんが揚巻に送られて登場し、助六を諭して紙衣に着替えさせて去ると訳知りの意休が現れる。実は曽我五郎だと知ってたんすねー。こいつぅ!そして、意休が持っていた刀こそ友切丸、揚巻の意見で意休の帰りを待ち伏せしようと助六は去っていくのでした。チャンチャン。お終い。
はひー。長かったです。ちょっと間延びした部分もあったよう?でしたが、正月ですし♪初春ですし♪お目出度いし♪絢爛で良いではあーりませんか。

あら、結構長くなっちゃった。歌舞伎座初芝居、楽しい体験でしたぁ♪一緒してくれた皆様、ありがとうございました。