オレ節生活

気の向くまま、思いつくまま

壽初春大歌舞伎 千穐楽・夜の部(2008.1.26)

歌舞伎座千穐楽・夜の部に行って来ました。
その場に立ち会えた幸せ、ということが時にあるものですが、今回はまさにそんな時でした。『鶴寿千歳』も『助六』も良かったですが、なんと言っても『連獅子』。凄かった・・・・。
『連獅子』を観て、いや歌舞伎を観て、こんなにキューッと胸が締め付けられたのは初めてかもしれないです。もー心臓バクバクでした。心拍数が上がりすぎてどっかに飛んでいっちゃいそうでした。(タケコプターのイメージ(笑)。)
幸四郎さんが、体に鞭打って自分のあらん限りものを子に与える老父/親獅子そのものに見えました。前シテの狂言師・右近の踊りから足運び等に勢いはなくとも情味たっぷりだなーと思ってましたが、後シテでの獅子の毛振り!誰もがこの辺で終わりだろうと思った時点からも加速@親獅子・幸四郎さん。あの、波打つ・ピタリと揃う毛の流れ、たまんないっすね。中日以降、最後に若獅子@染丈の毛振りがヒートアップしたそうですが、千穐楽では1回多く回したぐらいで飽くまで親獅子に合わせていたようです。誇らしげに。本当に幸四郎さん、体力的に限界・気迫で挑んでいたんだろうと思います。このまま死んじゃうんじゃないかと思ったくらい。単純にそういう姿に打たれるし、また『連獅子』という物語とシンクロして胸が熱くなりました。
その気迫を感じてか、地方さんたちも凄かった(特に囃子方)。ビリビリとした緊張感の中に小鼓@傳左衛門さんの声が響いて。大鼓のカーンという音にもハッとなる。基本的に三味線や箏のような弦楽器が好きなのですが、鼓・笛といった囃子方には緊張感が漂っていいものですね。