オレ節生活

気の向くまま、思いつくまま

松竹座・十月花形歌舞伎(その3)

『通し狂言 染模様恩愛御書〜細川の男敵討』(2006.10.21&10.22)

ハイ、まだ一幕目、続いております。1時間55分と長いしね。(そーゆー事じゃないやろ!)10/27の日記「その2」からの続きです。
まだ、浅草観世音仁王門前の茶店の場が続いています。
友右衛門が去ると、花道から現るは、図書に斬られた妻・いよにそっくりの友右衛門妹・きく@芝のぶちゃん(二役目)、友右衛門ときく兄妹の親代わり医師・玄庵@幸太郎さん、そして何故か印南と姓を変えた実は横山図書@猿弥さん、の3人。図書はきくをお嫁さんに欲しいと思ってて、兄の友右衛門に申し入れしたいのに、いつ訪れても留守(笑)。妹のきくはきくで、浅草寺に日参、とは偽りで実は吉原通いをしてるのではと心配している。ので、真偽の程を確かめつつ、一気に話をつけようと親代わりの玄庵伴ってやって来た訳だ。
腰掛けつつ、茶店の娘(エッ?)おせんに友右衛門の行方を尋ねる玄庵、その人相を「当代人気の花形役者、市川染五郎にそっくり」とサービスリップ。会場沸くが、おせんは「そんな人、知らんわいなぁ」とすげない!ここ、もうちょっと突っ込んで欲しかったなぁ。そしたらもっと笑いが取れたのに。…取らなくてもいいのか(笑)?ま、座っててもラチあかないので玄庵は探しに行きます。
きくは図書の妻になるのが嬉しそう。いよと違って健康的な明るさを感じます。そう拵えも差はないけど、ちゃんと雰囲気が違ってて、芝のぶちゃん、やるねぇ!
図書は…いよが忘れられないのかなぁ?わざわざ自分が惨殺した人と瓜二つの女性を選ばんでも……と思ったのは後になってから。その時はふーん、そうなんだ〜程度でしたけど。(っちゅーか眼中ない(笑)?)
と、図書に「もし、、、横山様?」と話しかける与太者あり。それはもと横山家の中間で、図書がいよと十内を殺害するのを目撃していた宅助@延夫さん!すっかり落ちぶれてます。慌てる図書。体良くきくも友右衛門探しに行かせると、宅助は図書を強請る。全てをぶちまけて…と脅す宅助に、図書はとりあえず小金を与えて、残りは訪ねて来ればやると追い払う。が、落ち着かず、手ぶらで戻って来た玄庵に言い訳ももどかしく立ち去る。その後現るきくは図書帰ってしまったと聞いて残念そう。そこへやっと友右衛門が参詣から戻って来る。 心配げな妹と玄庵の様子に、自分の本望を明かそうかと思案する友右衛門、、いや、明かしちゃダメでしょーー(笑)!って。その後の展開から結局秘したままだったようですが.....ホッ?(笑)。揃って浅草寺を去る3人でした。
暗転し、花道からまたもやスポット浴びつつラブリン登場。さっきは元気そう(?)だった母親のお民が急死し、浅草観世音参詣もままならなかったここ数ヶ月。しかし胸に去来するは……と独白しつつ、舞台/細川家玄関先へ。掃除をしている中間4人に優しく言葉をかける数馬。中間たちも数馬には敬愛の態度をみせてます。と!そこに「お帰りなさいまし!」と元気よく現れるは袖助@染丈!実は友右衛門は数馬恋しさに武士の位を捨て、細川家に奉公に上がってたのでした!
突然友右衛門そっくりな人物が現れ(当たり前だ、本人だもん)、でもなんかちょっと様子が違うし、数馬の動揺も少ないし、あらすじを読んでない&イヤホンガイド借りてない方は戸惑ったのでは?イヤ、私も吃驚したわぃなぁ(笑)!せめて中間どもの噂話があって登場、だったら心の準備(?)も出来ましたが。ここはもう周知の事実と話を進めよう、という意図だったのかもしれないけど。ついてこい客!(笑)?立派な武士だったはずの男が、まめまめしい中間働きが板に付いてるよ、ありえねーだろー!という楽しみ方もあるし(え、そうなのかぁ?)。
といっても友右衛門(いや袖助か)、やはり品格(笑?)は隠せないようで早くも玄関番に昇格したところ。労いの言葉をかけてサッサと去ろうとする数馬に、またもや「お袖に汚れが…」と、恋の句をしたためた短冊を袂に忍ばせる(笑)。
あまり気持ちが面に出ない数馬だが、「お袖に汚れ」攻撃(?)にあれはいつぞやのお侍…と気付き、動揺しているようですよ。去り行く数馬に視線送る友右衛門、もとい袖助。
中間たちは袖助がまだまだ出世するのでは、と持ち上げておりますが袖助「望みと言えばただ一つ」キランと瞳を輝かせて数馬が去った方へ…。
ハイ、何を望んでいるかは皆さん、よーーくお分かりのこと(笑)!一途です、ある意味ストーカーです、友右衛門/袖助!何の事やら?な不思議顔の中間仲間に昇格祝いの酒を用意したからと誤魔化し(?)、袖助、皆を誘って奥へ引っ込む。
と、数馬、袂に入れられた短冊に気付いて慌てて戻って来る。どうしよう?と言ってる割にはちゃっかり応えを返す心持ちにありますぞ(あとで判明)。
オロオロしてるとこへあざみが通りかかり、数馬の様子をいぶかしんでお加減でも?と心配げだが、それどころじゃないっすよ、あざみ!
数馬はアワアワしつつ立ち去るが、慌てたあまり大事なものを落とす!コラー!
あの、恋の句が書かれた短冊を拾い上げたが、あざみ!あざみショーック!やはり数馬様には恋のお相手が…!これは何とかしなければ(恋敵を見つけ出して吊し上げとか(笑)?)。
あざみ、気もそぞろに自室に立ち返るところ、酒盛りからコッソリ抜け出して来た袖助とぶつかる。ただでさえ気が立っているのに玄関番の不注意がっ!「無礼者!」イラつくあざみ。……思うに、恋敵が男であるのに加え、相手がたかが中間上がりということも、仮にもお殿様近くに侍る腰元・あざみには屈辱的だったのでは。なんて思いましたよ。ホントは歴とした武士なので許してやってよ。....あ、許しませんね、ハイ。
友右衛門/袖助は、あんな短冊まで渡してしまったからには望み叶わぬ時は身の滅び、まさに天国と地獄の分かれ目!に於いて、酒なんて呑んでる場合じゃねーぞ、注意散漫ですもん誰かにぶつかりもしますわ?(違う?)
悩ましげな友右衛門/袖助に、物陰から数馬が「袖助殿!」と文を投げて走り去る!おっ、そこに居ましたか、数馬殿。して、その文は物陰に隠れながら決心固めて認めたのですか?…と、思う間もなくもう数馬いないし(笑)。
袖助ガバチョと文取り上げ押し開き、「やや!これは今宵部屋に忍んで来いという」色良い返事!!ひゃ〜天にも昇る心地の袖助!いや、茫然自失?の体に見えまする。ガンバレ袖助、ここからが肝心だぞ!
が!思わぬ伏兵(?)、去りかけてたあざみがこの様子を見届け(そりゃあんな大っぴらなら気付くわぃなぁ。)、下手階段を上がりつつ「キィ〜ッ!」と嫉妬の炎を燃やしております!!確固とした証拠を押さえるべく、虎視眈々か?あざみ。危うし、友右衛門/袖助!
そんな事はつゆ知らず、いや、オレどぉしよう?と妄想を羽ばたかせる……ような暇もなく、酔っ払った中間たちが奥から迎えにくる。もーいきなり居なくなるから〜、何やってんだよー主役、主役!と、よく酒盛り場面で見る風景を展開しつつ、酔っ払いに引っ張られて袖助退場〜〜。

(では「その4」へ。まだまだ続くよ!)