オレ節生活

気の向くまま、思いつくまま

恐ろしき山風世界

柳生忍法帖』上下巻読了。ちょこっと感想なんて書いちゃおうかなぁ。
※ネタ、バレバレなので読書予定の方は飛ばして下さいねん。
魔界転生』に比べると、ちょーーっと悪趣味度が強くて、なんか…えーと…胸クソ悪ぃなぁ(あっ、失言?!)と思うこと度々。十兵衛さま、まさに女難だし(笑)。7人も女を従えりゃあ確執も生まれるって。せいぜい5人にしときなさい!(希望は3人くらいだけどね)、と胸の内で何度か山風センセェに訴えましたわ。おまけに道中、もう一人増えるし。ま、おとねは沢庵和尚専属で、十兵衛さまにそう実害はないけど。…って、なんか表現が間違ってるような気が(笑)。さらに敵方の女性(にょしょう・と読んでね♪)まで惑わす十兵衛さま!いやもう、女は勘弁でござるよ。と、私が言ってどうする(笑)。
いやぁ『魔界転生』の、この世に断ち難い無念を残し、救い難い執念と情念を燃やす魔界の輩どもと、俗世のしがらみからある意味切り離されたような孤高の剣士・十兵衛さまとの対決、あの世界がたまんなかった私としては、この『柳生忍法帖』はちょっと身が入りきらないなぁ、と思ってましたよ。ある時点までは。また、ピンチに次ぐピンチで。途中、これ、十兵衛さまが死んじゃう話じゃないよね?と不安にさえなりましたぞ。よくまあこんな構成を考えたもんだ!山風センセェに脱帽、と一応は思ってましたよ、ある時点までは。それが!!銃・槍・刀が煌めく会津若松城に、単身、乗り込んだ十兵衛さまの胸の透くようことといったら!!!!背筋がゾクゾク・身体はわななく、ひゃーー!!この場面のためにこの本を読み進めて来たのだわーーー!!ありがとう、風太郎センセェ!天晴れ!!そりゃおゆらも"まいっちんぐ!"でしょう。(オイオイ。)その後、クライマックスまでには、もう一山二山越えねばならんのだけど、俄然、十兵衛さまが輝いてるからいいのよ。全然気にならない(?)わ。実際、仇討ちを果たす7人の女たちの影は薄い(笑)。いいのか、山風センセェ!……いいんだろうなぁ。これで十分楽しいもの。ちゃんと落着したもんなぁ。こんな忍法帖を何冊も書き上げた山田風太郎センセェ、やっぱり恐ろしき!
さぁて、お次は順当に3部作のラスト・『柳生十兵衛死す』なんだろうが、今はまだ十兵衛さまの死には立ち合いたくないなぁ、な気持ちなので別モノに手を出してみようかな。明治もの?それも何かなぁ。うーん....。