オレ節生活

気の向くまま、思いつくまま

9月文楽公演 第三部 (2006.9.10)

いやぁ、暑かったですねぇ!本日・9/10。
さて、昨日に引き続き文楽・3部観賞です。日中の暑さで(何しろエアコン無い生活)、既に体力消耗してるよう…ヤバヤバ、気を引き締めて!
まず劇場に着いて小さな衝撃(?)が。席を24番だとばかり思ってたのが14番でした!あれぇ?どこで勘違いしたのだろ?前日(昨日)から『明日はあそこだな、床も近いし…ムフフ』などと思ってたんですけど!因みに購入時のメモにはちゃんと14と書いてありました....。ま、大した事ではないのですが、ちょっと動揺しました。
《第三部》八・九・十一段目
最後まで見終わると、五段−七段が歌舞伎でよくかかるのが分かるというか…ドラマチックだったなぁと思いました。(十月の芸術祭は七段目まで入れて欲しかったなぁ〜)もちろん、九段・山科閑居の段での各人の想いや覚悟も、胸に迫るんですけどね。でも、いよいよ終焉を迎える物悲しさを底辺に感じました。私がそう思って観てるから?女性陣の想いを強く感じたせい?
ほぅ、と思ったのが、今わの加古川本蔵に、由良助の見事な忠義家来ぶりを惜しみ"浅きたくみの塩谷殿…"と言わせたところ。やっぱり当時、世間にはそう思った人が少なくなかったのでしょうね。書き手の思いを垣間見た気がしました。
前後しましたが、許嫁であった由良助の息・力弥を慕う本蔵娘・小浪を連れて、後妻・戸無瀬は供もつけずたった二人で山科へ、その道行から3部・八段目は始まります。2部のラスト、七段目が雄々しかったので何だか侘びしい中にものんびりさを感じます。この緩急が名作と言われる所以なのかも。戸無瀬を操るは文雀さん、1部でもチラッと出てたはずなのに、記憶になーい!でも文雀さんに釘付け。だって、まるでお地蔵様のようなんですもん!細い伏し目がちの目元も、起きてる?(し、失礼なっっ!!)と思えるくらい静閑としていて。対する小浪・清之助さんは大汗かいてますよ!まぁ、動きがその分激しいんですけどね...。あぁ人形遣いさんばかり観てた段でした。この段、名曲らしいですよ…
おっとりとした道行も山科に着いてからは"急"となります。由良助妻・お石と戸無瀬、互いの想いが交錯します。山科閑居の段、切は住大夫さん(よっ!待ってました!盛大な拍手。)、奥は咲大夫さん。でもせっかくの住大夫さんでしたが、私はお石に持ってかれてしまいました。いやぁ、お石!賢しいというか豪胆な女性です!最初は賄賂を遣うような家の娘など…と取りあわず、自害しようとした母娘を止めた後は引き出物代わりに舅(本蔵)の首を所望する。ま、真意は、後家になるのが分かっていながら…という情からなんですけどね。実際、内蔵助妻リクも、夫の放埒ぶりにも揺るがなかったというから余程肝っ玉の座った人だったのだろうなぁ。もちろんおリクさんは、誰かの首を差し出せ、なんてことは言っておりませんが!
答えに窮する戸無瀬・小浪母娘。そりゃそうだ。と、門扉の向こうで尺八吹いてた虚無僧が笠脱ぎ捨てて入って来ると、本蔵本人。ハハァ、そうですか(笑)。カマ掛けてわざと力弥に槍で刺させ、由良助の本心を見極めてから、結納の品だと師直邸の見取り図を差し出し命果てる。そーよ、もともとアナタも原因よ!と言っては物語る意味がない(笑)。由良助は急ぎ虚無僧姿になって発ち、小浪は父の死に泣き伏すも、一夜の契り、力弥と奥へ…(昔の人の貞操観念って....)
さぁ最後の十一段目。ここは色んなやり方があるそうで、今回は花水橋引揚の段。既に討ち入り終わって引き揚げてくる情景です。出来れば四十七士全員揃って欲しかったけど、人形1体につき3名…47×3=141人!入り切れません!当たり前だっちゅーの。でも大星親子以下6名?で結構キュウキュウしてました。や、それが主点じゃないけど…。厳かに引き揚げて来るところ、現れたのは桃井若狭助。追っ手があったら引き受ける、安心して行かれよ、と言葉をかける。そーよ、元はと言えば……と言って意味がない(笑)。そして幕。
長かったですね〜(感想が?)お疲れ様でした!休憩以降、九・十一段の2時間通しはチトつらかったです。体調は整えて行くのに限ります。プログラムは買ったはいいが、読んでしまうと楽しさ半減、観終わった段を確認する為に使用しました。勘違いあるかも?です。
歴史の、忠臣蔵の陰にも、数奇な物語があるのでしょうね、そんなことを感じた「仮名手本忠臣蔵」でした。