オレ節生活

気の向くまま、思いつくまま

9月文楽公演 第一部 (2006.9.9)

何故か今までの歌舞伎観劇で「仮名手本忠臣蔵」に一度もヒットしたことがない!三大演目の1つというのに…まぁ忠臣蔵自体、ちと苦手なので避けられてるのかも(誰によ(笑)?)、と思っていたら巡ってきた文楽通し!そりゃ全段とも観ますとも!で、行って参りました。さすがに一日通しは自信なかったので、まずは1&2部です。
人形浄瑠璃では物語そのものを楽しみ、歌舞伎では役者の味を楽しむ、ととらえてる私。「仮名手本…」の初体験が文楽でホント良かった〜。これからも期待してます、日本芸術文化振興会
《第一部》大序〜四段目
ネタバレで行きます。
って、有名演目だから周知の事実か(笑)?
史実でいう吉良上野介に当たる・憎々しい高師直を討とうと逸ってるのは年若い桃井若狭助。あれ?刃傷沙汰に及ぶのは塩谷判官よね?と思ったら!若狭助家の家老・加古川本蔵が裏で賄賂を遣ったため、師直の矛先は塩谷へ。おまけに横恋慕してた塩谷の妻・顔世にすげなくされて逆恨み、悪口雑言に耐えかねて刃傷。
えぇー?!運命に弄ばれた塩谷判官…不憫だわ。てか、本当の原因は本蔵と顔世ではないかい?
前夜の寝不足が祟ったか、二段目辺りで早々にまぶたが重く……うわっ、持ちこたえられるか?!と不安に陥るが、三段目・呂勢大夫さんが登場した途端、覚醒。いやぁお若くて声量あるせいか迫力!それに今日のお席は奇しくも1、2部とも同じ5列27番。床が近くて"耳で聞く文楽"、堪能しました。呂勢大夫さんは好みかも♪唇が瓢箪型に変形するんですよ!…て、筋と関係ないよ....
人形遣いさんも玉女さんや勘十郎さんになると、俄然人形が生き生きとして。何がどう違うとハッキリとは言えないのですが、背骨がピキッと入る感じ。背骨は人間の軸ですもん、大事にして下さい。(誰が?)勘平登場時は、一瞬、染丈に見えてしまった…人形なのに!禁断症状か(笑)?!
四段目・塩谷判官切腹の段では義太夫・十九大夫さん。ゥワォッ、重厚な低音が緊迫した場面にぴったりではないですか?!まさに切腹、では三味線も語りもなく、劇場がシーンと静寂に包まれます…こんな悲壮感と緊張感の中で、ふと睡魔に襲われそうになったのは私ぐらいだろう!オイオイ…。息絶えなん、というところでやっと国元から大星由良助到着。主君が切腹で使った形見の九寸五分を握り、屋敷を立ち退く由良助の胸に去来するものは……第二部へ続く。