オレ節生活

気の向くまま、思いつくまま

【Amebaより移行】吉例顔見世大歌舞伎・昼夜

今年の11月は『仮名手本忠臣蔵』通し。

都合を鑑みて、昼夜観劇を決意(^_^;)。
昨日敢行しました。
忠臣蔵だけに14日で?(それは嘘。意図してなかった。)

 

通し狂言を一日通しで観る、
ある意味贅沢?
フリークには堪らないと思いますが、私は忠臣蔵に思い入れもないので、鷹揚に。
それが幸いしたか、多少疲れはしたものの、思ったほどでもなかったかな。(ホントか?)

昼の部。
正直、歌舞伎版通しを観たのは初めて(観たのは文楽のみ)。
ので、「みどり」でやらない前半が楽しみでした。
塩冶判官の勘三郎さんがいい。
富十郎さんの高師直は、富十郎さんの持ち味がそう感じさせるのか、言うことやること子供みたいでちょっと可愛くも感じてしまう。
んが、仏の顔も三度まで。いくら子供でも度が過ぎれば大人は本気で怒ります。
そんな感じでした。
でも塩冶判官はとばっちりだよな。桃井若狭之助家来・加古川本蔵が機転を効かせたため、すべての禍?が降り掛かってくるとは。穏やかに暮らしてただろうに。(/_;),

切腹の場では泣きそうに。最後の最後だけど間に合って良かった!
幸四郎さん由良之助がもうこと果てそうな塩冶判官の背に手を回したとき、ちょっと"父性"を感じました。
段四郎さんの憎らしいお役はお手の物よね。

昼の部追い出しの『道行』では、暗い重い悲痛な場から一転して、菜の花畑と桜のまばゆい世界へ。
勘平は表情曇らせてますが。
お軽@時蔵さんが美しい。
そんな、思い切り腰元姿で逃避行かよ!と突っ込まない、突っ込まない(笑)。

夜の部。
五・六段目の菊五郎さんの勘平は以前に観てるはずだけど、新鮮に楽しめました。「楽しむ」って言えない場だけど。
勘平の愚かさに、おかや@東蔵さんの心情が手に取るように。東蔵さん、好きだぁー。(告白するような場じゃないって)

七段目の一力茶屋の場。
また雰囲気が変わって。
すごい"大歌舞伎"な感じなのに、役者も揃っている・泣かせもする、が、いまいち気持ちが乗れなかった。なぜだろう?こういう時もあるんだな。
仁左衛門さんの由良之助は初見だったのでとっても楽しみにしていたのだけど、私が期待していた造形とは違う気がした。
やっぱり私の中での由良之助ベストは吉右衛門さんかしら。
幸四郎さんの平右衛門はあんまり小者には見えないけど、思ってたより(失礼な!)いいです。
平右衛門を演じるのは年齢的にも最後かしら?と思うので、観ておいて良かった。
福助さんのお軽とも息がバッチリ。
ただ、福助さんのお軽はちょっと...私には可愛らし過ぎるのかしら??
と言っても、理想の「お軽」がどんなのかは自分でもまだ分からないけど(^_^;)

斧九太夫が昼の部(四段目)に続いて錦吾さん。
あの九太夫がここに繋がる訳だ!ととてもスッキリしました。
それから鷺坂伴内もね。但し、鷺坂伴内は役者が3回も代わるから...(-_-;)

十一段目、討ち入りから引揚まで。
奥庭では小林平八郎@歌昇さんと竹森喜多八@錦之助さんの激しい立ち回りが!
こんな目玉?があるとは知らなかったので思わず「おーっ」と声が出てしまった。チャンバラ好きなのでね。

両国橋引揚の場ではセットが圧巻。
白一色の橋の向こうから由良之助始め四十七士が現れる。
視覚効果バッチリ。
最後列になにやら素敵なお方が?と思ったら、襟元に「寺岡平右衛門」と書かれた錦弥さんでした(笑)。まぁ、さっき幸四郎さんがやったお役を!木槌担いで素敵です(*^^*)。
最後は四十七士を見送る馬上の梅玉さん(服部逸郎)で幕。


通し観劇を振り返ってみれば、やはり文楽に比べると歌舞伎版は役者に左右されるんだな、と思いました。当たり前だがや。それが面白いところでありました。